なぜ日本人は目標達成が苦手?――ギャップ・アプローチや「なぜ5回分析」の罠

あなたの職場では、問題が起こるたびに「なぜ?」を繰り返す「なぜ5回分析」を行っていませんか? これは日本企業特有の、根本原因を追究する文化として広く浸透しています。確かに品質管理や機械トラブル対策には大きな効果を発揮してきました。しかし、人や組織が絡む課題にまで適用すると、ネガティブ感情を助長したり現状維持バイアスを強めるなど、思わぬデメリットが潜んでいるのです。本コラムでは、その“なぜ5回分析”やギャップ・アプローチの限界を明らかにし、ポジティブ・アプローチやバックキャスティングを活用して目標を達成するヒントをご紹介します。

1.日本人はなぜ目標達成が苦手なのか?

日本企業や日本人ビジネスパーソンがよく陥るのは、「なぜなぜ」で原因を突き詰めるギャップ・アプローチ一辺倒の文化です。例えばトラブルが起きたら、「誰が悪いのか」「何が悪いのか」を徹底的に洗い出し、“あるべき姿”との差を埋めることが中心的な問題解決法として使われてきました。

もちろん、工場の品質管理や機械トラブルの対処といった、感情の介在しにくい分野では大きな成果をあげてきました。一方で、人や組織が絡む複雑な問題にまで同じ手法を適用しようとすると、以下のようなデメリットが出やすくなります。

  • 責任追及になりがちで、相互不信や対立を生みやすい
  • ネガティブ思考が蔓延し、組織の士気が下がる
  • 創造的なアイデアやイノベーションが生まれにくい

その結果、「やる気」や「主体的な行動」が損なわれてしまい、たとえ現場が多少の改善をしても、大きな目標達成までには至らない──。これが“日本人は目標達成が苦手”といわれる大きな理由のひとつなのです。


2.このままで大丈夫?取り残される日本のビジネスパーソン

「海外で成功を収めたイノベーションを、われわれも取り入れよう!」
「DX時代に遅れをとらないために、IT活用を進めよう!」

こうした声は経営者サイドからはよく聞かれます。しかし、現場に降りてくると「なんとなくやる気が出ない」「どこから手を付けたらいいかわからない」という状態に陥りがち。結果として、計画倒れに終わることも珍しくありません。

  • モチベーションの低下:責任追及型のアプローチが続き、社員の主体性が失われる
  • ビジョンの欠如:改革の方向性がぼんやりしているため、実行に踏み出しづらい
  • 現状維持バイアス:チャレンジするよりも、失敗を恐れ現状にとどまろうとする

こうして、国内外の激しい競争の中で日本企業が埋没しかねない状況は、まさに危機的ともいえます。


3.ギャップ・アプローチの限界を超える「ポジティブ・アプローチ」と「バックキャスティング」

3-1. ギャップ・アプローチとポジティブ・アプローチの違い
  • ギャップ・アプローチ

    • 「あるべき姿」と「現状」の差を埋める
    • 不足部分(できていないこと)に注目
    • 「なぜできない?」を繰り返すネガティブな側面も
  • ポジティブ・アプローチ

    • 「なりたい姿」や「可能性」にフォーカスする
    • すでにある強みを伸ばす発想
    • 組織や人が前向きに変化しやすい

特に人や組織が関わる複雑な課題に取り組む際は、後者の“ポジティブ・アプローチ”がモチベーションを高め、創造的解決策を生みやすいのです。

3-2. バックキャスティングの3ステップ
  1. 目標と現状のギャップから課題を見つける

    • 「To Be(目標・理想の姿)」を先に設定する
    • 今の状態(As Is)との違い(ギャップ)を洗い出す
  1. 課題に対する実行案を考える

    • 今までできなかった理由となる前提や信念が何か探る
    • 金銭的・人的制約を突破するアイデアを模索する
    • 失敗を恐れずチャレンジ精神で考える
  1. 個々の実行案を合わせて目標達成を見通す

    • それぞれの取り組みが合わさったときに、どれだけ目標に近づくかを試算
    • 実行しながら必要に応じて追加策を検討し、PDCAを回す

このように、ギャップをただ埋めるだけでなく、未来の理想を起点に今何をすべきかを考えることで、現状維持バイアスを打破できるのです。


4. コーチング&ヒューニングが生み出す“達成力”とは?

4-1. なぜ「コーチング&ヒューニング」が鍵になるのか
  • ポジティブ・アプローチを引き出す技術

    • コーチングでは、未来の「なりたい姿」を明確に描かせ、“クライアント”の中にある強みや意欲を引き出す
    • ヒューニング(Huening)は、組織や個人(ヒューマン)のパフォーマンスを“チューニング(調律)”するという概念。脳科学心理学的アプローチで感情面の調和や、目標へ向けての行動変容を後押しする
  • “思考の枠”を超えるきっかけ

    • 外部視点からのフィードバックで、固定観念や前提を覆せる
    • マインドセットの切り替えによって、変革を加速
4-2. 期待できる効果
  1. 主体性の向上:自ら目標を設定し、行動計画を立てる習慣が身につく
  2. モチベーションアップ:ポジティブ・アプローチで、自分や組織の強みに気づく
  3. イノベーション創出:前向きな空気が醸成され、新しい発想や取り組みが生まれる
  4. チームワークの強化:相互理解や信頼関係が深まり、組織としての達成力が高まる

5. まずは無料ウェビナーや体験講座へ!

もしあなたが、

  • 部下やチームに目標達成力を身につけさせたい管理職
  • 自己目標を達成できずに悩むビジネスパーソン
  • 新しい“コーチングスキル”で顧客や組織をサポートしたいコーチ志望者

であれば、ぜひ「思考と行動の調律アカデミー」が主催する「コーチング&ヒューニングのスキルを学ぶビジネスコーチ養成講座」にご参加ください。

  • 内容:ポジティブ・アプローチ、バックキャスティング、コーチング&ヒューニングの実践法
  • 形式:オンライン/対面選択可能
  • 対象:ビジネスパーソン、リーダー、コーチ志望の方

本講座の申し込み前には、無料ウェビナー体験講座にご参加ください

まずはお気軽に一歩を踏み出してみてください。


6. 【まとめ】

日本人が目標達成できない理由

  1. 「なぜなぜ」追及のギャップ・アプローチに偏りがち
  2. 責任探しでネガティブな感情が生まれやすい
  3. 現状維持バイアスが強く、新しいチャレンジを阻害

解決策

  • ポジティブ・アプローチ:強みや「なりたい姿」に焦点を当てる
  • バックキャスティング:未来から逆算して具体的な行動を計画
  • コーチング&ヒューニング:人・組織の可能性を最大化し、前向きに目標達成をサポート

大切なのは、現状の“問題追及”だけで終わらせず、未来の“あるべき姿”や“なりたい姿”を明確に描き、そのために行動を起こすことです。日本の企業やビジネスパーソンがもう一度躍進するためには、ネガティブ志向を抜け出してポジティブに考え、行動していくことが欠かせません。ぜひ、コーチング&ヒューニングのスキルを身につけ、あなた自身やチームの目標達成力を飛躍させてください。

まずは無料ウェビナーや講座案内をチェックしてみてはいかがでしょうか?
あなたの新たな一歩が、未来への扉を開く鍵になるはずです。

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